Ubuntu 22.04 on Macbook Pro 2017 備忘録です.
最初に結論から書くと,
現時点では,使い方にもよると思いますが,実用は厳しいです.多分これは 2016年や2018,2019年のモデルでも同じ
だと思います.
何がダメなのか?
まず,Ubuntu はともかく Ubuntu から派生したディストリビューションだと最新版でもインストールもできないものがあります.実際,elementary os7 はダメでしたし,Pop! OS も現在のところはダメそうです.また,
Ubuntu 22.04 にしろ 22.10 にしろ(もっと前の ver. だと問題はより大きいと思う)そのままではいろいろなデバイスをきちんと使える状態で認識してくれません.
ただ入れただけではMacbook Pro 2017 だと以下に挙げるものは使えません.
- ハイバネーション(休止やスリープ)
- オーディオ入出力
- FacetimeHDカメラ(一番安価なモデルの場合.逆に上の方のモデルは使えるらしい)
- Bluetooth
- TouchBar
- TouchID
実際,私の所有する Macbook Pro 2017 two thanderbolts の場合(TouchBar や TouchID のないシンプルなモデルなのに)は上に挙げたもののうち,オーディオとBluetoothとFacetimeHDカメラが標準だと動きません.また,
パッチ等を適用することで,とりあえず動くようにはできますが,安定性がなさすぎて常用は無理!
です.例えば,
- Audio と Bluetooth は起動後1から2分経たないと認識されません.また,認識時10から20秒程度PCがフリーズします.
- Audio は OUTPUT はともかく INPUT がどうもまともに動いていないっぽい.
- FacetimeHD カメラは Cheese などのアプリでは動きません.
- Bluetooth はとにかく実際に機器が接続されるのに時間がかかる.
- サスペンドや休止後,Audio と Bluetooth が復帰してこないことがほとんどです.再起動してもダメなこともある(シャットダウンじゃないとダメ).
のような感じです.私の所有する機器以外の情報については,
のページに詳しくまとめられていますが,他にもよく読むと色々問題があること分かりますし,ここに記されていない不具合もあります.
MacBook Pro 14.1 作業記録
ググればすぐに出てきますが,一応,私の所有する MacBook 14.1 で試すときに参考にしたページは以下の通りです(Kernel 5.19 他いくつかのもので試した).
- BluetoothGitHub - leifliddy/macbook12-bluetooth-driverContributetoleifliddy/macbook12-bluetooth-driverdevelopmentbycreatinganaccountonGitHub.
- Audio Input & OutputGitHub - davidjo/snd_hda_macbookpro: Kernel audio driver for Macs with 8409 HDA chip + MAX98706/SSM3515 ampsKernelaudiodriverforMacswith8409HDAchip+MAX98706/SSM3515amps-GitHub-davidjo/snd_hda_macbookpro:KernelaudiodriverforMacswith8409HDAchip+MAX98706/SSM3515amps
- FacetimeHD CameraGitHub - patjak/facetimehd: Reverse engineered Linux driver for the FacetimeHD (Broadcom 1570) PCIe webcamReverseengineeredLinuxdriverfortheFacetimeHD(Broadcom1570)PCIewebcam-GitHub-patjak/facetimehd:ReverseengineeredLinuxdriverfortheFacetimeHD(Broadcom1570)PCIewebc...
- 専用インストールイメージの作成Ubuntu 20.04 Linux on mid-2017 MacBookProThisarticledescribeshowtoinstallUbuntu20.04LinuxonyourMacBookPro.
Ubuntu 22.04 on Macbook Pro 2017 雑感
Macbook Pro 2017 はまだ macOS の最新版 Ventura が動作しますが,すでに発売から5年経っており,さらに Macbook Pro 2016 が Ventura サポート対象から外れたことを考えると,そろそろ余生を考えなければならない時期です.
私の場合も性能不足が理由でメインを M2 Air に移行

しましたが,高解像度な画面を持つそれなりの性能の機種なので,いままで Macbook Air 11inch 2013

が担っていた役割を本機に移そうと頑張ってみたんですが,少なくとも現時点では「無理」と判断せざるを得ませんでした(Macbook Air 11inch は画面解像度が低すぎてかなり使いにくくく感じるようになったので,使えると嬉しかったんですね).
いろいろ調べると,どうも Mac で Linux を利用する場合,2015年以前と以後で大きくサポートの状況が変わるようで,これは,2015 年以後,Apple が独自開発した機能が Mac に搭載されることが増えてきているからのようです.実際,最近の GIGAZINEの記事

も出ましたしね.
残念なことではありますが,Macbook Pro 14.1 は macOS のままギリギリまで使い,その後は廃棄するしかないのかなぁ……と思っています.
以上!