Microbot Push をあきらめて SwitchBot に乗り換えたはなし

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Microbot Push をあきらめて SwitchBot に乗り換えたはなしです.

ボタンプッシュ系の IoT ガジェットと言えば,Microbot Push と SwitchBot ですが,

Microbot Push を見限って,SwichBot に移行!

したので,今回はこの辺りの事情について少し記したいと思います.なお,用途については以前の記事

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をご覧いただければと思います.

Microbot Push を見限った理由

開発元の Naran Inc. ですが,どうも活動してないっぽいです.実際,Amazon でも「在庫切れ」のままですし,ホームページ

https://microbot.is/ja/push/

はありますが,SHOP やサポートページはリンク切れのまま放置されています.

もちろん開発元がなくなったとしても,製品を使い続けられれば良いのですが,これもとても厳しいです.と言うのも,本製品,スマホに専用アプリを導入して,Bluetooth でペアリングして使うのですが,遠隔地から制御しようとすると,本製品が繋がる(Bluetooth なので当然あまり広くない)範囲に専用アプリを入れたスマホを設置しなければなりません.

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しかし,スマホはサーバー的に設置するものではないし,さらにアプリの更新も自動的に行われてしまいます.そのせいでせっかく設定していてもなにかの拍子に動かなくなることが頻発していました.この類の製品には,Smart Hub のような名前が付けられた IoT 機器とクラウドの橋渡しを行うための機器がセット,もしくは別売になっているのが普通ですし,Microbot Push の場合もあるのですが,これ,もう2年以上,品切れのままでした.騙し騙し使ってきましたが,これ以上,使い続けるのはもう無理,と判断せざるを得ませんでした.

ものとしての Microbot Push と SwitchBot

と言うことで,乗り換え先を検討したのですが,いまのところ,ボタンを押す系の IoT 製品って,他には SwitchBot くらいしかありません.だから,SwitchBot を積極的に選んだのではなくて,仕方なしに移行した訳です.

逆に言うと,なぜ Microbot Push を使い続けていたのかと言うと,押すという動作自体は,Microbot Push の方が素直で確実に動作しそうだったからです.これは,Microbot Push と SwitchBot の動作を比較するとすぐに分かります.

Microbot Push は「上から真っ直ぐに面で押す」のに対して,SwitchBot は「点で押す」感じです.実際,取り付けてみた様子は以下の通りですが,実際に動かしてみると,有線リモコンのボタンの端っこを「チョン」と押す感じになります.

Photo by hyt.

私の場合は,結果的には,問題なく動作しましたが,ものによっては,きちんと押せないことがあるだろうし,実際,それが心配だから,面で押す Microbot Push をこれまで使ってきた訳です.

それ以外にも,Microbot Push だと,ボタンを押し込み量や投下時間(押す時間)の調整ができますし,さらに,物理的に高さを調整できるスペーサーも付属していますが SwitchBot はそのような調整はできません.また,Microbot Push の場合はきちんとペアリングしないと動かすことができないのに対して,SwitchBot は BluetoothLE ですから,MAC アドレスさえわかれば動作させられます.

つまり,SwitchBot の場合,ほとんどあり得ないとは思いますが,電波さえ届けば,意図しない機器から操作される可能性があります.だから,セキュリティ的には全く望ましくない.

と言うことで,製品自体の作り,という観点からすると,SwitchBot よりも Microbot Push の方がかなり優れていると思います.しかし,残念なことに,Microbot Push は「オープン」ではありませんでした.

SwitchBot の良いところ

結論から言えば,SwitchBot の良いところは,

オープンである

ことだと思います.

上で書いた通り,Microbot Push は製品としてはよくできていたと思います.しかし,SwitchBot と違って,オープンではありませんでした.つまり動作させるためには,専用のアプリと専用のクラウドを利用しなければなりませんでした.

SwitchBot も,もちろん開発元が用意したアプリと Smart Hub

SwitchBot ハブミニ
複数の赤外線リモコンを一つにするスマートリモコンで、外出先から家電やSwitchBot製品を操作できます。

とクラウドを組み合わせて使うのが基本です.しかし,これらを一切使わず,直接 Raspberry pi OS などから制御することもできます.

GitHub - OpenWonderLabs/python-host: The python code running on Raspberry Pi or other Linux based boards to control SwitchBot.
The python code running on Raspberry Pi or other Linux based boards to control SwitchBot. - OpenWonderLabs/python-host

実際使うと,これが非常にありがたい.

IoT 製品の場合,クラウド経由で制御する作りになっていることが多いです.例え同じ部屋にいたとしても,クラウドに命令を投げ,クラウド経由で命令を受け付ける仕組みのものが結構あります.実際,Microbot Push はそうでしたし,自宅の Sharp のエアコンもそうです.近くにいてもクラウド経由の通信なので,反応にタイムラグがあるし,通信に失敗することもそれなりにある.外出時ならともかく,近くにいる場合はこれはかなりストレスでした.

また,他の機器と連携させるのは,それが特に別のメーカーの製品だったりした場合は非常にやりにくいか,できないことがほとんどです.IFTTT 等使えばできる,という製品もそれなりにありますが,動作の確実性はイマイチな感じがしますし,そもそも大したことしないのにわざわざクラウドにつなげないといけないということ自体にかなりの抵抗感があります.

実際,私がやっているのは,温度計の温度がある程度以上になったら,エアコンの有線リモコンのボタンを投下する,というだけの制御です.このためだけにアプリを入れてクラウドに接続させて……というのはかなり無駄です.全部ローカルの通信で済ませたい.遠隔地から手動で制御する場合も SSH でつないでコマンドを打つで十分です.

これは,一般的な使い方とは言えないとは思いますが,少なくとも私の場合はこちらの方がストレスなく使えます.トラブルもほぼ全くと言って良いほど起きていません.

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個人的には,なんでもかんでもクラウドにつながるのではなく,必要な部分だけクラウドを利用する方がいろいろな意味で望ましいあり方なんじゃないかなと思います.

以上!

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