OneDrive on MacBook Air M2 のメニューが開けない備忘録です.
現在のメインマシンの MacBook Air M2 の OneDrive のメニューが開けなくなったので色々試してみました.
結論から書くと,
OneDrive をいったん完全に削除して,Apple Store ではなく,Microsoft の公式ページから OneDrive for Apple Silicon をダウンロードしてインストールする
ことでいまのところは動作するようになりました.Microsoft の公式ページは,
です.
恐らく,Microsoft 公式ページからダウンロードできるものと Apple Store のものが違っている(実際,OneDrive の設定リセット用のコマンドの名前も違う)のだと思いますが,下手に Apple Store のものに置き換えられてまた開けなくなると困るので,現在の Apple Store の ver. がいくつかは調べていません.なお,Microsoft 公式ページから導入した ver. は,
24.070.0407.0003 (スタンドアロン) ( アップルシリコン)
です.
不具合の詳細
今回おきた不具合は,macOS の上部メニューバーに表示されている OneDrive アイコンをクリックしても以下のメニューが表示されないというものです.
ファイルの同期はきちんと行われるのですが,OneDrive アイコンをクリックしても,クリックされていることは伺えるのですが,メニューは全く出てこないんです.だから,設定とかにもアクセスできず,かなり困ったことになりました.
なお,MacBook Pro 2017 の方に入れている OneDrive についてはこのような不具合はなく,同僚が使っているものも大丈夫で,最初は OneDrive をインストールし直せばすぐ治るかな……と思っていたのですが,結局はあれこれ試しても治らず,ものすごく時間を使ってしまいました.
試したけど失敗したこと
参考までに試したけど失敗した試みを記しておきます.
設定のリセットと再設定
これは,OneDrive アプリに含まれる ResetOneDriveApp.command を用いる方法です.公式の情報は,
です.
今回はメニューが使えないので,終了も普通の方法では行えないため,
- macOS のアクティビティモニタから OneDrive を終了
- 公式の手順に従い ResetOneDriveApp.command で設定を削除
- ホームディレクトリの OneDrive フォルダを削除
- OneDrive を起動して再設定
の順で行ったのですが,残念ながら症状は改善しませんでした(念のため,同じフォルダにあった RemoveOneDriveCreds.command も実行してみましたがダメでした).
OneDrive アプリの Apple Store からの再導入
OneDrive アプリを Apple Store から再導入する方法です.このためにはまず OneDrive アプリをきれいに削除しなければならないのですが,その前に macOS の SIP を無効化する必要があります.具体的には以下の手順を踏みます.
- macOS をいったん終了させる(システム終了)
- 電源ボタンを押したまま起動し,出てきたメニューから「オプション」を選び,リカバリーモードにする
- macOS ユーティリティの画面上部のメニューから「ユーティリティ」を選び,ターミナルを起動する
- ターミナルで,csrutil disable と入力し y を選び少し待つ.
- 以下のメッセージが出てきたら再起動する.
System Integrity Protection is off.
Restart the machine for the changes to take effect.
公式の情報は
![](https://docs.developer.apple.com/tutorials/developer-og.jpg)
にあります.
これで OneDrive をきれいに削除できる状態になりますが,手作業でこれを行うのはかなり面倒なので,私の場合は AppCleaner アプリを使って削除しました.手作業の場合は,
辺りを見てやってください.また,ホームディレクトリにある OneDrive フォルダも削除します.
あとは Apple Store から OneDrive アプリを再導入・再設定すれば完了ですが,残念ながら今回はこの方法で今回の症状は改善しませんでした.
うまく行った方法
最後にうまく行った方法ですが,これは,上に記した「OneDrive アプリの Apple Store からの再導入」とほぼ同じで,違いは Microsoft の公式ページから OneDrive のスタンドアロンアプリを導入したところだけです.ただし,導入後に macOS を支障なく使うために追加でやらないといけない作業がありますので,順を追って説明をしておきます.
まず,念のため,OneDrive アプリの設定を削除し,ホームディレクトリの OneDrive フォルダを削除します.
- macOS のアクティビティモニタから OneDrive を終了
- 公式の手順に従い ResetOneDriveApp.command で設定を削除
- ホームディレクトリの OneDrive フォルダを削除
- OneDrive を起動して再設定
次に,macOS の SIP を無効化します.
- macOS をいったん終了させる(システム終了)
- 電源ボタンを押したまま起動し,出てきたメニューから「オプション」を選び,リカバリーモードにする
- macOS ユーティリティの画面上部のメニューから「ユーティリティ」を選び,ターミナルを起動する
- ターミナルで,csrutil disable と入力し y を選び少し待つ.
- 以下のメッセージが出てきたら再起動する.
System Integrity Protection is off.
Restart the machine for the changes to take effect.
次は OneDrive アプリを AppCleaner アプリ等を用いて完全に消去し,Microsoft の公式ページ
から,OneDrive のスタンドアロンアプリをダウンロードしてインストールと設定を行います.
これで私の場合は OneDrive が正常に動作していることを確認できましたが,この状態だと,macOS のセキュリティポリシーの問題で iOS アプリ等が起動できません.このため,
- macOS の SIP を有効化します.csrutil enable とする以外は無効化と全く同じ手順で行えます.
- macOS のセキュリティポリシーを「完全なセキュリティ」に戻します.これは,https://support.d-imaging.sony.co.jp/mac/security/11/ja/index.html に分かりやすい説明があります.
の2つが必要のようです.
OneDrive 不具合雑感
と言うことで,OneDrive を何とかもとのように使える状態にできましたが,この辺りトラブルと大変です.特に今回はメインで使っているストレージだったので,作業のひとつひとつにかなり気を使いました.当然,まずバックアップを取ってからはじめたのですが,容量がかなり大きかったので,それだけでかなりの時間がかかる.
幸いなことに,同期については問題がなかったので,仕事を片付ける合間にいろいろ試すことで難を逃れましたが,今回,痛切に,
ひとつ前の ver. のアプリにストアから戻せる機能を実装して欲しい!
と強く感じました.
多分タイミングから見て,今回の不具合って,ストア OneDrive アプリのアップデートがキッカケだと思うんですよ.でも,ストアからは全バージョンがダウンロードできないので確かめようがない.逆に言えばだから今回やたらアレコレと試行錯誤しなきゃならなかった.特にこの辺りのお仕事に直結しているアプリだけでも何とかならないかなぁ……って思います!
以上!