NearbyShare/QuickShare を Linux で使ってみた備忘録

Google
Photo by hyt.

NearbyShare/QuickShare を Linux で使ってみた備忘録です.

Google
google でおうちアップデート。

いつもの通り結論から書くと,

rquickshare

で使えます.ただし,Android への送信はいまのところうまくいっていません.

NearbyShare/QuickShare

Apple の AirDrop の Android 版です.ファイルを簡単にお互いのスマホ同士で受け渡せるアレですね.

Google
google でおうちアップデート。

Google の NearbyShare が Samsung の Quick Share に統合されてできたものらしい.

Androidの「ニアバイシェア」、Samsungの「Quick Share」に統合
米Googleは9日(現地時間)、同社が2020年に導入した、近くのAndroid/Chromebookデバイスと無線経由でピア・ツー・ピアでファイル共有できる「ニアバイシェア(Nearby Share)」機能を、Samsungの同等の機能...

ニュースリリースが 2024/1/10 なので,まだ出来立てなんですね.

rquickshare とは?

この NearbyShare/QuickShare ですが,公式から Windows 用のアプリが公開されていますが,残念ながらこれら以外の OS へのアプリの提供はありません.

しかし,有志の方が作っているアプリはいくつかあるようで,macOS 用だと,NearDrop

GitHub - grishka/NearDrop: An unofficial Google Nearby Share app for macOS
An unofficial Google Nearby Share app for macOS. Contribute to grishka/NearDrop development by creating an account on Gi...

とか  QNearbyShare

GitHub - vicr123/QNearbyShare: Nearby Share implementation for Linux
Nearby Share implementation for Linux. Contribute to vicr123/QNearbyShare development by creating an account on GitHub.

があります(ただし両方ともに同じ Wi-Fi ネットワークに所属していないと送受信できないようです.また,QNearbyShare は Android へ送信することができないようです).

この Linux 版が rquickshare というアプリのようです.

rquickshare の導入と使用

まず,rquickshare の制限事項として,同じ Wi-Fi ネットワークに所属している端末どうしでしかやり取りができないのは NearDrop とか QNearbyShare と同じみたいです.

rquickshare の導入と起動は簡単で,Ubuntu/Debian 系なら,deb 形式のファイルを,

Release v0.7.1 · Martichou/rquickshare
0.7.1 (2024-05-01) Bug Fixes auto snap version (8bab368)

からダウンロードして,

$ sudo dpkg -i r-quick-share_0.7.1_amd64.deb
$ r-quick-share

のようにすればできます.もしくは AppImage 形式のものをダウンロードして,

$ chmod +x r-quick-share_0.7.1_amd64.AppImage
$ ./r-quick-share_0.7.1_amd64.AppImage

ですね.snap 形式のものもありますが,Ubuntu 系だと Apparmor の設定をきちんとやらないと動かないと思います.

それからもちろん Firewall の設定の見直しも必要で,例えばローカルネットが 192.168.1.0/24 の範囲ならば,

$ sudo ufw allow 192.168.1.0/24

のような感じで,通信を許可しておかなければなりません.もしくは,元ページに説明がある通り,

rtin :: ~ » vim ./.local/share/dev.mandre.rquickshare/.settings.json

{
  ...existing_config...,
  "port": 12345
}

のように使うポートを制限しておいて,

$ sudo ufw allow 12345

のようにするかですね.

rquickshare 利用雑感

利用感は AirDrop とほぼ全く同じです.

例えば Android の「フォト」アプリから写真を送る場合だと,まず,送り先の端末で rquickshare アプリを起動しておいてから,

  1. フォトアプリで写真を選択
  2. 下のメニューから「共有」を選ぶ
  3. 「QuickShare」を選ぶ
  4. 付近のデバイスに送信メニューから送るマシン名を選ぶ

のようにすれば,以下のような感じで写真がダウンロードフォルダに送信されます.

Photo by hyt.

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逆にPCからファイルを送る場合も,rquickshare に送りたいファイルをドラッグドロップして,あとは送り先の Android で操作をすれば良さそうなんですが,残念ながらこれは少なくとも私の環境ではいまのところ動作してくれません.実際,rquickshare アプリのログを見ると,

2024-05-12T03:27:15Z  INFO rqs_lib: TcpListener on: 0.0.0.0:46195
2024-05-12T03:27:15Z  INFO rqs_lib::manager: TcpServer: service starting
2024-05-12T03:27:15Z  INFO rqs_lib::hdl::mdns: Broadcasting with: x1c6
2024-05-12T03:27:15Z  INFO rqs_lib::hdl::ble: BleListener: service starting
2024-05-12T03:27:15Z  INFO rqs_lib::hdl::mdns: MDnsServer: service starting
2024-05-12T03:27:21Z  INFO rquickshare::cmds::discovery: start_discovery
2024-05-12T03:27:21Z  INFO rqs_lib::hdl::mdns_discovery: MDnsDiscovery: service starting
2024-05-12T03:27:21Z ERROR rqs_lib: Couldn't start BleAdvertiser: Bluetooth operation failed: Failed to parse advertisement.

の通り,BlueAdvertiser を開始できないというエラーが出ていますので,アプリとしては対応しているのだけど,私の PC の設定の問題なのかドライバの問題なのかよくわかりません.

とは言え,Android からPC 方向にファイルサーバー等を挟まずに手軽にファイルが送れるだけでもかなり便利になりました.アプリのデザインも悪くないですしね.

以前 Apple の AirDrop を Linux 向けに実装した OpenDrop

GitHub - seemoo-lab/opendrop: An open Apple AirDrop implementation written in Python
An open Apple AirDrop implementation written in Python - seemoo-lab/opendrop

も試したことありますが,こちらの方が導入も設定も大変で実用にはとてもならなかった記憶があります.それに比べればこちらはアプリの導入も設定もかなり分かりやすいです.いまのところ頻繁に更新されてもいまので,そのうち,PC から Android への送信も使えるようになるんじゃないかなと楽しみにしています.

以上!

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